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過ちを赦す (マタイ6:5~15)

メッセージ

2014年1月19日富里キリスト教会

「過ちを赦す」
(マタイ6:5~15)

1.信仰を持っても古い性質は無くならない

今、鈴木姉と一緒に、「拡大する人生」を学んでいるのですが、何回学んでも教えられるところがあります。ちょうど、クライマックスの第5週5日目の「二つの性質と一つの決断」と言うところを先週学びましたが、その中にこういう言葉がありました。

「つまり『すべてのクリスチャンは、古い性質と新しい性質を持っているという事実です。あなたの古い性質を新しく変えようとしても、キリストのようになろうとしてもできるものではありません。大事なことは、イエス・キリストを常に選び、このお方を心にお迎えして、心の王座を明け渡すことです。そして、私たちの心のそして人生の主となっていただくことです。』」(「拡大する人生」P.61)

このようにクリスチャン生活の中で起こってくる古い性質との戦い、心の葛藤、自己矛盾の生活について明確に教えております。そして、そのような古い性質にどのように対処するかという、信仰生活の基本的な事柄について学んでおります。新しく始まる信仰生活が、順調に養われ成長して行くためのとても大事な基本的な学びです。実際、信仰に入ってからいろんな戦いやつまずきが起こって来ます。また、このテキストを学んだから大丈夫というものではありません。この学んだことを自分の実生活の中で取り上げ、リーダー達や信仰の仲間と一緒に取り上げて、実践して祈り合って行く必要があります。

皆さん方も、古い肉の性質が、しっかりとまだ自分の心のどこかに居座っているという現実に、気がつくことがあるのではないでしょうか。特に、クリスチャンになってからも、自分を傷つけた人に対して、その人を赦して行くということは、口で言うほどたやすいことではないような気がします。そのような誰かに対するいやな思い、苦々しい感情というのは、むしろ信仰生活の中で、教会生活の中でも起こってくることです。そのことの連続と言っていいでしょう。教会も人の集まりですから、そのような葛藤や軋轢というものがあります。むしろ、信仰を持ってからの方が、そのような心の戦いといいますか、悩み苦しみというものが起こって来ます。そして、人を赦してゆくことの難しさを感じてきます。

2.クリスチャンでもし人を赦さないなら

イエス様は主の祈りの中で、人の過ちを赦すように、こう祈りなさいと教えてくれました。そして、私たちはいつもそのように祈っています。特に第五番目の祈りにつきましては、「我らに罪を犯した者を、我らが赦す如く、我らの罪を赦したまえ。」といつも毎日のように祈っています。さっきも祈りました。これは、「私に対して罪の負い目を持っている人を、私たちが赦しましたから、主よ、私の罪の負い目をもお許しください。」という祈りです。つまり、私に対して悪を行い、私を傷つけ、自分が全く悪くもないのに、一方的に傷つけられた人の過ち、罪を、私は赦しましたので、神様、私の罪をもお赦しくださいという祈りです。

もし私たちが、自分に罪を犯した人、自分に不義を働いた人、自分を傷つけた人を赦さないでいるとどうなるかが、聖書に書かれてあります。6:15に「しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。」とあります。また、7:1にも「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。」とあります。

人の過ちを赦さないなら、神様も私たちの過ちをお赦しになりません。いつまでも他人を裁いているなら、神様も私たちを裁かれるというのです。その人を赦さないという固い心、心の中の苦い根っこが残っているならば、それは自分の心の中にそのまま留まるだけではなく、そこから苦い悪い根をはびこらせて、やがては自分だけでなく、多くの人にも悪い影響を与えるのだから気をつけるようにとパウロも言っています。「神の恵みから除かれることのないように、また、苦い根が現れてあなたがたを悩まし、それによって多くの人が汚れることのないように、気をつけなさい。」(ヘブライ12:15)

3.自分の苦い根を見つける

あるカウンセラーの方が、職場に行くとめまいがするというサラリーマン男性の相談を受けました。相談者は、がっしりとした30代くらいの方で、体の弱い人には見えませんでした。内科的には問題がないので、心理的なところで診てもらおうと心療内科の方に回されて来ました。その方とのやり取りの中で、「職場の上司が気に食わない」ということでした。そして父親のことを聞いてみますと、職場の上司に父親がそっくりだったというのです。さらに聞くと、相談者は子供の時に父親にかまってもらえなかった、いつも非難ばかりされていたということがあったそうです。カウンセラーは、めまいの原因は、どうもこの職場の上司と厳しかった父親のイメージが重なりあって、心のどこかに拒絶反応が起こっているのではないかと考えました。

そうして行くうちに、相談者は、職場の上司と自分の父親の否定的な部分が重なっていたことに気がついて来たのです。それから、カウンセラーはお父さんとの楽しい思い出も思い出してもらいました。そして少しずつ、お父さんのマイナスイメージが薄められてきました。それ以来、職場でのめまいや頭痛といった表情も消えるようになってきたというのです。上司に対する苦い根の根本は、実は子供の時の父親との関係にあったということなのです。

このように人間の心の奥底に根を張っている苦い根を見つけるのは、容易ではないかもしれません。表面に出ている根だけではなく、自分の心の奥にはびこっている、過去の人の仕打ちや過ちを赦さない、そしてその人を裁いてしまっている自分、どうしてもそこから自由になれずにいつもそこにこだわっている自分、そこから解放されない自分というものがあるのではないでしょうか。

このように、人の過ちや罪を赦さずに、そのままにしておくと、それは大きな害毒を引き起こします。人を裁く気持ちが告白されずに、悔い改められないまま時間が経つほど、その隠された罪の根っこのもたらす結果は手が付けられなくなるほど大きくなると言われています。初めは小さな火花であっても、野火となって山火事を引き起こすほどになってしまいます。

ですから、一日も早く、自分の心の中の苦い根っこを見つけ出して、そこにイエス様の十字架の血潮を注いでいただくことが大事です。主の祈りを絶えず捧げるのは、人を赦さないという苦い根っこを、そのままにしておいてはいけないということです。すぐに赦しなさいということです。赦さないならば、この祈りはできないのではないでしょうか。私たちが一刻も早く、人の過ちを赦さなければ、神様も私たちの過ちを赦さないし、その悪い根がどんどんと自分の心も体をもむしばんで行くのです。

4.イエスの十字架の血が罪を聖める

ですから、「我らに罪を犯す者を、我らが赦す如く、我らの罪をも赦したまえ。」なのです。日本語の「如く」というのは、「ように」とも訳されていますが、ギリシャ語では、「オース」となっています。これは、英語のas と言う意味の他に、as soon as と言う意味もありました。つまり私たちが赦すと同時に私の罪をも赦して下さいということです。相手の負い目を赦すことと、私の負い目が赦されることは同時だということです。

私がよく用いる御言葉は、Ⅰヨハネ1:8~10の御言葉です。「自分に罪がないと言うなら、自らを欺いており、真理は私たちの内にありません。自分の罪を公に言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、罪を赦し、あらゆる不義から私たちを聖めてくださいます。罪を犯したことがないと言うなら、それは神を偽り者とすることであり、神の言葉は私たちの内にありません。」

ですから、私たちは自分の中にある苦い根、憎しみ、恨み、赦せない心、怒りと言ったものをイエス様の前に告白して、主の赦しを願えばいいのです。できれば、as soon asすぐにです。それらを心にしまったままでは、自分も汚されてしまいます。イエス・キリストの十字架の血潮で洗い清めていただくことができるのです。それが信仰です。自分を傷つけた人、自分を愛してくれなかった人、いつも口汚く非難していた人のことを、主の御前に持って行き、イエス様の御名によって赦しますと言う宣言の祈りをすることです。

「神様、あの人を赦せるようにして下さい。」「イエス様、どうかあの悪い習慣をやめることができるようにして下さい。」と言う祈りは良く聞きますが、「イエスの名によって、イエス・キリストの十字架のゆえに、私は今、あの人の過ちを赦します。ですから主よ、どうか私の罪をも赦して下さい。」と祈ることです。これが、主の祈りの第五の祈りではないでしょうか。「イエス様の御名のゆえに、私はもう悪いことはいたしません。」あるいは「憎しみは、金輪際やめます。」と言う宣言の祈りです。

私たちの祈りが、「その人を赦せない、赦せない」⇒「その人を赦せるように」⇒「その人を赦しました」⇒「その人に感謝します」と変化して行けたら素晴らしいですね。その祈りをあなたは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉めて、見えない隠れたところにおられる父なる神様に祈りなさい。そうすれば、主がその祈りを聞いてくださって、必ずその祈りに報いて下さると言うのです。これは真実です。                      (岡田 久)

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