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真に畏れ敬うべき方 (マタイ10:26~31)

メッセージ
2017年1月29日富里キリスト教会

「真に畏れ敬うべき方」
(マタイ10:26~31)

1.日本における伝道の難しさ

無教会派のリーダーでもあった黒崎幸吉先生は、このマタイ10章の注解書でこう書いています。「自分の信仰を告白することを恐れているキリスト者が多い。このような人は、体も霊も滅ぼす権威を持っている神を畏れているのではなく、人間を恐れているのである。それ故に、かかるキリスト者は、その信仰さえ失ってしまう。それだけではなく、終わりの時には、イエス・キリストすらそのようなキリスト者を、父の御前で拒むのである。日本のような異教世界では、このあかしの生活は厳しいものがあるが、一時的なこの世の苦しみよりも、永遠の御国での勝利の生活を選び取りたいものである。」と。

じつに無教会派の教師らしく、厳しい信仰態度を奨めています。先日もNHKの「ファミリーヒストリー」という番組を見ていましたら、女優の大竹しのぶさんの家族の歴史について取り上げていました。大竹さんのお母さんの名前はエステルと言いまして、旧約聖書から取った名前だというのです。そしてその父さんは、やはり無教会派の伝道者と言うことで、家で聖書講義をして伝道しておりまして、お母さんが家計を支えていたというのです。戦争中は、いつも家の前に特高警察がいて、見張りをされていたというのです。そして、このマタイ10:22の御言葉の「しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」から、大竹しのぶという名前を付けたというのです。

西南学院のモットーは「西南よ、キリストに忠実たれ!」という言葉です。ともすると、キリストに忠実になるのではなく、文科省に忠実になるようにと通達がすでに出ているのではないでしょうか。予算面で縛られたら、いくらミッションスクールでも従わざるを得ないようなことが起こりかねません。この間も官僚の天下りを許した早稲田大学が記者会見をしていまして、「権力の圧迫に屈してしまった。」と反省の記者会見をしていました。聖書は、人を恐れるな、お金を恐れるな、予算を恐れるな、権力を恐れるなと言っています。人間の権力ではなく、真の神の権力を恐れなければなりません。もちろん法律や税務署や警察権力には従わなければなりませんが、かといって礼拝や伝道を止めさせるような、思想統制や脅しには屈伏してはならないというのです。

2.人々を恐れてはならない

「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。身体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。」(マタイ10:26~28) 

なぜわたし達は証しができないのか。それは「人々を恐れている」からです。人に何と見られようか、あれでもクリスチャンかと言われないだろうか、恥をかきたくない、後ろ指を指されたくない、そういう思いが証しや伝道をできなくしているのではないでしょうか。でもわたし達はどんなところに住んでいようが、どんな立派な家に住んでいようが、それは仮の住まいなのです。天にはもっといい住まいが備えてあるのです。今は仮の宿であり、天にある永遠の住まいを目指して旅をしているのです。現状に固執していてはいけません。

10:16にこうあります。「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。人々を警戒しなさい。」(10:16~17a)とあります。人々は警戒しなければなりません。でも、恐れてはいけないというのです。ですから、怖がることはないですが、いたずらに騒ぎを起こしたりしないで蛇のようにさとくふるまって警戒しなさいと言っています。

しかし、警戒するあまり、言うべきことも言わないでいるのはよくありません。どんな人の前でも、言うべきことは言わなければなりません。わたしたちが言うのは、自分が語るのではなく、わたしたちの内にある聖霊様が語ってくださるのです。ですから、神様がわたし達に静かに語ってくださることを、公衆の面前で言いなさい。決して人々を恐れたり恐がったりしてはいけないというのです。

3.髪の毛さえ数えておられる神

わたし達が真に畏れるべきお方は、神様以外にありません。でもわたし達は、神様が一番怖いから恐れているのでしょうか。神様の方が恐いから、世の誰よりも神を恐れると言うことでしょうか。そうではありません。神様は、わたしたちを人一倍愛しているが故に、そして誰よりも私たちのことを知っていて下さり、気にかけていて下さるが故に、神様を畏れ敬うのです。

「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」(10:29~30)

二羽の雀が1デナリオンで売買されていました。1デナリオンは、一日の日当分の16分の一と言われていましたから、一日8000円としますと、約500円に相当するのではないでしょうか。二羽合わせて500円という価値しかない雀でさえも、神様のお許しがなければ、地に落ちることはないというのです。そのように雀という小さな鳥、価値のないようなものにさえ、神様の目は注がれているのです。神様の大きな御配慮の中にあるのです。

ましてやあなたがたは、あのたくさんの雀よりも優れている者ではないか、雀よりももっと価値のある存在なのだと言うことです。ですから、神様はあの小さな雀以上にわたしたちのことを気にかけていて下さらないはずはないし、知っていて下さるというのです。それだけ私たち一人一人を愛しておられると言うことなのです。ですから、人間を恐れる必要はないとおっしゃっていて下さるのです。

今朝も教会学校で賛美しました。「心くじけて」という讃美ですが、こういう歌詞になっています。

一.心くじけて思い悩み などて寂しく 空を仰ぐ
主イエスこそ わがまことの友 一羽の雀に 目を注ぎたもう
主は我さえも 支えたもうなり 
声高らかに われは歌わん 一羽の雀さえ 主は守りたもう

本当に神様は、あの一羽の小さな雀にさえ、目を止めて心にかけていて下さるのです。ましてや雀よりもはるかにまさっているわたしたちに目を止めていて下さらないはずはありません。

更に主は、わたし達の髪の毛一本一本さえご存じであられ、数えられておられるというのです。でもその髪の毛一本一本でさえ、わたしよりも神様の方が覚えていてくださるというのです。「あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。」というのです。神様が数を数えていて下さるのです。わたしよりも神様の方が、わたしたちの身体をご存じであり心配して下さっているというのです。そしてあなたがたは、自分の髪の毛一本よりも優れているのではないかとさえ言っておられます。だから、人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。わたしが暗い所であなたの心に語りかける言葉を、公の場で言い広めなさい。身体を殺そうとする人々を恐れてはならない、もっと真に恐るべき方は、死んだ後に体も魂も滅ぼすことのできる方を恐れなさいと。

もしわたしたちが、自分はクリスチャンです、イエス・キリストを信じていますと言うことを言い表さないならば、私もあなたがたを知らないと、父なる神の前で言いますとおっしゃっておられます。「だから、誰でも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、わたしも天の父の前で、その人をわたしの仲間であると言い表す。しかし、人々の前でわたしを知らないという者は、わたしも天の父の前で、その人を知らないと言う。」(10:32~33)

最後の審判の時に、イエス様から、あなたを知らないと言われることほどつらいことはないのではないでしょうか。あんなに働いて来たのに、あんなに神に仕えて来たのに、最後の場面で、関係ないと言われたらどうするでしょうか。これこそ取り返しがつかないくらい、悲しいことではないでしょうか。今までのクリスチャン人生は一体何だったでしょうか。無駄だったでしょうか。

信仰の告白によって、親とも仲たがいすることもあるでしょう。自分の両親とも敵対関係になるかもしれません。36節には「自分の家族の者でさえ敵になる」とあります。わたしたちの神様であるイエス様以外に、家族の者を愛するものはわたしにふさわしくないと言っています。キリスト者として生きるとういうことは、そのような覚悟が必要です。でも主を選ぶという選択をすることによって、後で家族の者とも和解させて下さるのです。

最後に10:27からの御言葉を読んで、終わりたいと思います。
「わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない。わたしよりも息子や娘を愛する者も、わたしにふさわしくない。また、自分の十字架を担ってわたしに従わない者は、わたしにふさわしくない。自分の命を得ようとする者は、それを失い、わたしのために命を失う者は、かえってそれを得るのである。」(10:37~39)

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