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伝道の心得 (マタイ9:35~10:15)

メッセージ
2021年1月31日富里キリスト教会
「伝道の心得」
(マタイ9:35~10:15)

1.収穫は多いが働き手が少ない

「イエスは町や村を残らず回って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いをいやされた。また、群衆が飼い主のない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。そこで、弟子たちに言われた。『収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送って下さるように、収穫の主に願いなさい。』」(マタイ9:35~38)

イエス様はイスラエルの人々を見て、彼らが飼い主のない羊のように、弱り果て、打ちひしがれているのを見て深く憐れまれました。この「憐れむ」という言葉のギリシャ語が「スプランク二ゾマイ」という言葉ですが、これは英語のスプリーン(脾臓)という言葉にもなっています。ですからイエス様は群衆が打ちひしがれている姿を見て、五臓六腑がえぐられるような思いで憐れまれたのです。まるで荒野に放置された羊のように、草も水も与えられず、狼などの外敵におびえながら息も絶え絶えに生活しているイスラエルの人々の心をご覧になりました。

そして「収穫は多いが、働き手が少ない。」と言われました。このような人々の心を養ってくれる魂の牧者がいないのです。そのためには、まず働き手を送り出して下さる収穫の主に願わなければなりません。わたしも毎日、日本人の魂の救いのために、働き人を送り出して下さるようにと主に祈っています。人々は打ちひしがれて、路上に倒れている。そのようにイエス様の目には映っているのです。
そしてその働き手を、主は召し出して、遣わされました。そうすることによって、実践をもって訓練されたのです。

2.失われた羊のところに行きなさい

イエス様はこの後、12人の弟子を呼び寄せて、二人ずつ組にして遣わされました。そしてこう言いました。「イエスはこの12人を派遣するにあたり、次のように命じられた。『異邦人の道に行ってはならない。また、サマリヤ人の町に入ってはならない。むしろ、イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。行って、「天の国は近づいた」と宣べ伝えなさい。病人をいやし、死者を生き返らせ、らい病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。』』」(マタイ10:5~8)

伝道に遣わされた者は、まず第一に、異邦人やサマリヤ人の町に入ってはいけないと戒められました。そうではなく、イスラエルの失われた羊のところに行きなさいと言いました。イスラエルの失われた羊とは誰のことでしょうか。今日に当てはめるならば、イスラエルの失われた羊というのは、もともとイスラエル人であった人です。クリスチャンでいうならば、何らかの理由で、教会から離れてしまっている人、他行会員、かつては信仰を持っていたが今は離れて霊的に迷子になっている人のことではないでしょうか。まずそういう人々を捜して見つけなさいと言いました。

わたしは献身する前に、教会の制度に反発しまして、教会から離れて自分で独立して自給伝道をしたことがありました。何とかこの町に教会をと思って、だれか一緒に聖書を学んで、祈ることのできる人はいないだろうかと思って仲間を探しました。そうしましたら、誰かのうわさを通して、あの人は昔教会に行っていたみたいだけど今は行っていないようだから、あの人に声をかけてみたらどうですかと言ってくれる人がいました。

そしてその方を探し当てて、一緒に聖書を読んで祈りませんかと言って我が家に誘い、家庭集会を開きました。そしてその方がその町の初穂になってくれたのです。その方は、今まで通っていた教会の伝道所が閉鎖になったので、それ以来教会に行く当てがなくて捜しておられたとのことでした。その人と二人で、その町の伝道に取り組みました。本当に一緒に重荷を担ってやってくださいました。そういう人をまず探し出すことです。

このように「失われたイスラエルの羊」と言いますのは、かつて教会に行ったことがある、ミッションスクールに通っていた、両親がクリスチャンだったとか、かつてキリスト教に何らかの形で関わりのあった人のことです。しかし、今はいろんな事情で教会に行けなくている人たち、そういう人のことを言っているのではないでしょうか。そういう人たちを探し当てて、その人のところに行きなさい。そして「天国は近づいた」と告げなさいと言いました。

主イエスは宣教の初めに、会堂で説教をしてこう言われました。「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した。」(ルカ4:21)と。聴く者の耳に聖書のみ言葉が到達したとき、聖書のみ言葉が実現したと言われました。ですから「天の国は近づいた」とみ言葉を宣べ伝えることです。聖書のみ言葉を語ることです。声にして態度にして証しすることです。この説教のみ言葉が語られる時、そこには聞く耳があります。ですからまだご主人が決心に至っていないとか、それでもいいです。大事なことはそのみ言葉が耳に届いているということです。ご主人が今、聖書の言葉を聞いているということが大事なのです。どんな場面でも、諦めないで語り続けましょう。み言葉には力があり、権威があります。やがて病をいやし、死人を生き返らせ、悪霊を追い払ってくれます。

3.ふさわしい人のもとにとどまる

最後に、ふさわしい人のもとにとどまると言うことについてお話したいと思います。「町や村に入ったら、そこで、ふさわしい人は誰かをよく調べ、旅立つ時まで、その人のもとにとどまりなさい。その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。家の人々がそれを受けるにふさわしければあなたがたの願う平和は彼らに与えられる。もし、ふさわしくなければ、その平和はあなたがたに返ってくる。」(マタイ10:11~13)

イエス様の伝道は、まず町に入ったら、イスラエルの家の失われた羊のところに行きなさいと言っていますが、これは、かつて教会に行ったことのある人ならば誰でもいい、昔教会に行っていた人ならば誰でもいいと言うのではなく、その人が福音を受けるにふさわしいかどうか、神の国の福音を受ける価値があるかどうかをよく調べなさいと言っています。

やみくもにイスラエルの民ならいいと言うのではなく、受けるにふさわしいかどうかを吟味検討して、その人の家に入ったら、「平安があるように」と挨拶をしなさいと言っています。ルカ10:6では、尋ねる家にその家の「平安の子」がいれば、祈る祈りはその家にとどまりますと言っています。ですから、そこに平安の子がすでに住んでいるかどうか、あるいは神の平安を受けるにふさわしいかどうかを確かめたうえで、平和を祈ってあげなさいと言っています。そして、神の平和を受けるにふさわしくなければその祈りは返ってくるし、ふさわしい人がいればその祈る祈りはそこの家にとどまると言っています。

そして、次の宣教地に向かうまでは、そこの家に継続してとどまっていなさい、決してあっちの家こっちの家と家々をのべつ歩き回ってはいけないと言っています。「どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もしいなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。その家に泊まって、そこで出されるものを食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。」(ルカ10:5~7)この場合は12弟子ではなく、72人の弟子を派遣する場合のことを述べています。

ですから平安を受けるにふさわしい、失われたイスラエルの羊を見つけるまでは、あちこちと探し回る必要がありますが、もしふさわしい人が見つかったならば、そこの家にとどまり、そこを拠点としてみ言葉の力と権威をもってそこの家の人と共に過ごすことを教えています。このように、イエス様は、弟子たちを伝道の訓練と経験のために何度も派遣しています。今も昔も福音を喜んで受け入れてくれる家はあまりないでしょう。でも神様は既にそういう家を、そういうふさわしい人を備えていて下さると言っています。平安の子がすでにおられる家があるのです。

福音の働き人が求められています。福音伝道者募集中です。イエス様が言ったように「目を上げて畑を見るがよい。色づいて刈り入れを待っている。」(ヨハネ4:35)の言葉の通りです。皆さん、そういう人がこの地域には一杯いるのです。でも、福音を届ける人が少ないのです。人々の心は熟して、刈り入れを待っているのに、それを刈り取る人がいません。収穫の主に、働き手を送って下さるように祈りましょう。

新生讃美歌457番にこういう歌詞があります。「聞こえるでしょう 神の御声が 呼び続けられるあなたのことを 主イエスの愛を知らない人に 救いの喜びを知らない人に あなたの隣の あなたの町の 一人一人を訪ねて歩けと 聞こえるでしょう 神のみ声が だれがみ声に従うでしょう だれがみ声に応えるでしょう。」

イエス様は、二の足を踏む弟子たちを、二回目に強いて船に乗せ、もう一度暗い海に押し出しました。また、弟子たちに権威を与えてこの地方の町や村に遣わしました。「全世界へ出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ。」(マルコ16:15)もう一度、信仰の原点に立って、「主よ、ここにわたしがおります。わたしをお遣わし下さい。」(イザヤ6:8)と応える者となってゆきたいものです。(岡田 久)

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