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伝道、献金、祈りの恵み (ローマ15:22~33)

メッセージ

2013年11月24日富里キリスト教会

「伝道、献金、祈りの恵み」
(ローマ書15:22~33)

1.ローマからイスパニアへ

まず、最初に、パウロの世界伝道のビジョンについてみてみましょう。22節から読んでみます。「こういうわけで、あなたがたのところに何度も行こうと思いながら、妨げられてきました。しかし今は、もうこの地方に働く場所がなく、その上、何年も前からあなたがたのところに行きたいと切望していたので、イスパニアに行くとき、尋ねたいと思います。途中であなたがたに会い、まず、しばらくの間でも、あなたがたと共にいる喜びを味わってから、イスパニアに向けて送り出してもらいたいのです。」(15:22~24)

パウロがこのローマ書を書いたのは、ギリシャのコリントの町だと言われています。そしてこのコリントのすぐそばのケンクレアイ教会の女性執事フェベにこの手紙を託して、ローマまで運んでもらいました。(16:1~2)そして、パウロ自身も一日も早く、ローマに渡ってローマの信徒たちと会い、お互いの信仰の励ましを受けたいと願っていました。

さらにパウロは、ローマ教会だけではなく、ローマを通ってイスパニア、今のスペインまで行って伝道したいと願っていました。地中海の一番西の国です。こうして、神の福音が、エルサレムから始まって、ギリシャ、ヨーロッパへ、そしてローマを経由して最果てのイスパニアまで届けられたならば、この地中海世界全域に、福音が行き渡ることになります。

パウロが、「イスパニアに向けて送り出してもらいたい。」と言った背景には、あのペンテコステの時に、主イエスが語ったように「あなたがたの上に聖霊が降ると、力を受け、エルサレムだけではなく、ユダヤとサマリヤの全土、そして、地の果てに至るまでわたしの証人となるであろう。」(使徒言行録1:8)と言われたとおりのことが起こったのではないでしょうか。パウロは地の果てまで、キリストの復活の証人となって出かけて行こうとしたのです。実際には、パウロはローマまでしか行けず、ローマの地で殉教したと言われていますが、彼の幻は、ローマからイスパニア、そして地の果てまでキリストの福音が宣べ伝えられることを夢見ていたのでした。

そして、イスパニア人(スペイン人)でフランシスコ会の宣教師、フランシスコ・ザビエルによって、西暦1549年に、キリスト教が日本の種子島まで伝来されてきたのです。パウロの時代から1500年以上も経ってはいますが、パウロがイスパニアに行きたいと祈った祈りの線上に、このアジアの地、日本への宣教ということもあったのではないかと私は思います。

2.愛の協力伝道献金

次に、私たちは何のために伝道するのか、それはもちろん福音を宣べ伝えるためであり、全世界のどこでも福音を聞いて救われる人が起こされることを願っています。それと同時に、福音伝道者のために生活費を援助したりすることがなければ働きは前進しません。パウロは、天幕造りのアルバイトをしながら、生計を立てつつ、独立して伝道したようですが、いつの時代でも、働き人を支えるための背後での祈りと献金が必要です。

ですから、この「伝道」と「献金」と「祈り」は切っても切り離すことができません。いわば教会の三種の神器のようなものです。宣教師だけではなく、教会もこの伝道、献金、祈りによって成り立っているといっても過言ではなりません。そして、「伝道」を支える霊的な支えは、「祈り」です。でも伝道を支える物質的な支えは「献金」です。私も皆さんの経済的な支えをいただいて、こうして宣教の働きができております。今週は世界伝道のために、特別な献金を献げる週です。また、教会としても、バプテスト連盟にわずかですが、年間20万円の協力伝道献金を献げています。

25節から読んでみます。「しかし今は、聖なる者たちに仕えるためにエルサレムへ行きます。マケドニア州とアカイア州の人々が、エルサレムの聖なる者たちの中の貧しい人々を援助することに喜んで同意したからです。彼らは喜んで同意しましたが、実はそうする義務もあるのです。異邦人はその人たちの霊的なものにあずかったのですから、肉のもので彼らを助ける義務があります。それで、私はこのことを済ませてから、つまり、募金の成果を確実に手渡した後、あなたがたのところを経てイスパニアに行きます。そのときには、キリストの祝福をあふれるほど持って、あなたがたのところに行くことになると思っています。」(15:25~29)

この物質的な支援は、教会の貧しい人々を支えるために用いられました。皆さんも知っているとおり、今年、教会の看板が爆弾低気圧で飛ばされてしまいました。再建しようとしましたら、50万円かかるということでした。今の富里教会の財政状態では、この50万円を支出することができませんでした。

その時、連盟の災害補助支援と言う制度がありまして、これに申請しましたら、37万円の補助を連盟からいただけることになり、ご存じの通り、今は立派な看板が立っております。教会からは、毎年連盟に協力献金として、約20万円捧げています。その私たちが献げる献金をはるかに超えて、連盟から37万円の支援をいただきました。その差額の17万円はどこから来ているでしょうか。それは、他の教会がささげて下さっている協力献金から出ています。他の教会の捧げものによって、あの看板が立ちました。

他にも、このスクリーンやプロジェクター、教会案内なども連盟の伝道支援制度によって購入できました。私たちの教会も、まだまだ小さな教会で、あまりたくさんの協力献金はできませんが、できる限り他の教会の伝道のために、また現在宣教活動をしている伝道者のためにできるかぎり協力伝道献金を捧げて行きたいと願っています。

3.熱心に祈って下さい

そして、最期三番目ですが、やはり何と言っても祈ることが大事です。そして、祈りは聞かれます。30節からを読んでみます。「兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストによって、また、“霊”が与えてくださる愛によってお願いします。どうか、わたしのために、わたしと一緒に神に熱心に祈ってください。わたしがユダヤにいる不信の者たちから守られ、エルサレムに対する私の奉仕が聖なる者たちに歓迎されるように、こうして、神の御心によって喜びのうちにそちらへ行き、あなたがたのもとで憩うことができるように。平和の源である神があなたがた一同と共におられるように、アーメン。」(15:30~33)

パウロは、ローマの信徒に向かって、わたしのために祈って欲しい。わたしと一緒に祈って欲しい。熱心に祈って欲しいと訴えています。世界伝道は、祈りなしには何も起こりません。伝道者の背後にある熱い祈りが、大きな原動力です。パウロは、「自分が不信の者から守られ、この献金の活動が快く受け入れられるように、そして、最後にはローマにも行くことができるように」と具体的に祈りの内容をお願いしています。伝道は神様のなさる業ですから、自分であそこに行こう、ここで伝道しようというような訳にはいきません。神様の導くままに、聖霊様の働かれるままに、伝道者を用いるのは神様です。聖霊様が働いて、私たちを自由に動かします。

パウロは、ギリシャのクリスチャン達の祈りに支えられて、エルサレムに向かいました。その結果はどうだったでしょうか。案の定、着いてから募金は無事に届けられますが、間もなくエルサレムの神殿で、暴徒に襲われ、ローマの兵隊に助けられてしまいます。そして、それ以来、彼は囚人として、監禁されながら、法廷に立つために、船でローマまで護送されてゆくことになりました。途中、40人のテロリストに命を狙われますが、助かります。そしてローマに行く船の中でも、大嵐で難破してしまいますが、神の手によって守られて無事ローマまでたどり着きました。

はた目から見ますと、一難去ってまた一難と、次々と災難に出会うのですが、命を落とすことなく、最期には囚人となってローマに着くことになります。このように九死に一生を得るような、彼の伝道生活の背後には、やはり、彼を支えた信徒たちの、熱い必死の祈りがあったのではないでしょうか。祈りましょう、教会で、祈祷会で、家々で。祈りは必ず聞かれますから、諦めないで祈りましょう。私たちがもうだめだと思った瞬間から、神様御自身の御手が働きます。伝道は祈りだといってもいいかも知れません。

パウロの「ローマを経由して、イスパニアに送り出してもらいたい」と言った、あの祈りの線の上に、私たちの富里教会があることを覚えたいと思います。そしてパウロの目は、この富里教会を通して、更に地の果て向かって、私たちと一緒に伸びています。そして、そこには私たちの主イエス。キリスト様が先に行かれて待っておられるのです。私たちも、パウロと共に祈り、パウロの思いをわが思いとして、パウロが目指した地の果てに向かって、祈りつつ出て行こうではありませんか。                   (岡田 久)

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