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主は生きておられる (列王記上17:8~16)

メッセージ

2011年1月2日富里教会新年礼拝
  「主は生きておられる」
(列王記上17:8~16)
1. はじめに

預言者エリヤが預言活動をした時代は、紀元前860年頃、北イスラエル王国のアハブ王の時代でした。そのアハブ王の悪行が列王記上の16:29~33までかかれておりますので、読んでみましょう。
「オムリの子アハブがイスラエルの王となったのは、ユダの王アサの治世第
38年であった。・・・オムリの子アハブは彼以前のだれよりも主の目に悪とされることを行った。彼はネバトの子ヤロブアムの罪を繰り返すだけでは満足せず、シドン人の王エトバアルの娘エゼベルを妻に迎え、進んでバアルに仕え、これにひれ伏した。サマリヤにさえバアルの神殿を建て、その中にバアルの祭壇を築いた。アハブはまたアシェラ像を造り、それまでのイスラエルのどの王にもまして、イスラエルの神、主の怒りを招くことを行った。」
(列王上17:29~33)
アハブ王は、罪を重ねて、シドンからイゼベルを妻として迎えました。このエゼベルの父エトバアルは名前の示すとおり、バアル神の祭司でもあり、娘の嫁入りにバアルの預言者450人、アシェラの預言者400人をつけて嫁入りさせました。当然、北イスラエルのサマリヤの町には、このバアルとアシェラの偶像が立てられ、これに仕える預言者の住まいも与えられて、異教の偶像礼拝をする国になってしまいました。バアルが男神でアシェラが女神です。この男女の神の性的交わりによって五穀豊穣になるといった信仰です。日本のあちこちでもこの主の宗教行事はよくみられます。男と女の神の性的交わりによって繁栄するという土着の宗教です。おぞましくもいやらしい淫らな宗教です。そういう時代背景の中で、真の神ヤハウェの預言者エリヤが、神の御言葉を持って信仰の戦いをしたのが、この列王記のハイライトとなっております。

昨年は、この辺も大きな水不足が続きました。たった、2ヶ月雨が降らなかっただけでも大変でしたのに、それが2年半続いた訳です。ケリト川の水もすっかり涸れてしまい、エリヤはシドン地方のサレプタに住んでいる寡婦のところに行くようにと、神様に命じられました。それが今日のお話です。

2.小さいパン菓子を持って来なさい(エリヤの場合)

列王記上の17章の8~16節までに、サレプタの寡婦を養う奇跡の物語な述べられております。聖書箇所が長いので、かいつまんでお話します。この大きなききんは、地中海に面したシドン地方にも及びました。この貧しい母子家庭の親子に取りましても、ききんは生活に困窮を究めることになります。エリヤは、町の入り口でこの母親に声をかけました。「器に少々水を持って来て、わたしに飲ませてください。」と。(この言葉は、あのサマリヤの町で主イエスが一人の女に「水を飲ませてください」と声をかけられた時のようですね。ヨハネ4:7)

ところがこの貧しい親子は、長引くききんで、人にパンをあげるどころか、自分たちも残ったわずかばかりの小麦粉と油を使って、最後のパンを作って食べて、あとは死を待つだけだというのです。家にある一握りの小麦粉と油は、残された最後の食糧だったのです。その親子に対してエリヤはこう言いました。
13節「恐れてはならない。帰って、あなたの言ったとおりにしなさい。だが、まずそれでわたしのために小さいパン菓子を作って、わたしに持って来なさい。なぜならイスラエルの神、主はこう言われる。『主が地の面に雨を降らせるまで、壺の粉は尽きることなく、瓶の油はなくならない。』」(17:13~14)と。

普通でしたら、「私たちの食べ物は少ししかありませんから、預言者のあなたに差し上げられません。」というでしょう。あるいは少し信仰のある人でしたら、こう言うでしょう。「まず、私たちが最初に食べてから、もし残っていたらあなたにもパン菓子を作って差し上げましょう。でもこれが最後の食事です。あとは心中するか餓死をするしかありません。」と。

エリヤは、母親に対してまず預言者にパン菓子を作り、それから自分たちの分を造りなさいと命じました。そしてこの寡婦は、エリヤの言葉を信じてそのとおりにしました。すると、どうしたことでしょう。エリヤも彼女の家の者も、エリヤに告げられた御言葉のとおりに、壺の粉は尽きることなく瓶の油もなくなることはなく、何日も食べ物に事欠くことはありませんでした。

私はこのお話から、この2011年は、どんなことがあってもまず神を第一にすることを教えられました。たとえ、生活が困ってもです。この家族の場合ですと、最後の一食です。たとえそれほど生活に追い詰められていましても、神を第一とする時に、神様は天の窓を開いて私たちに必要なもの一切を、さらにそれにもましてもっと大きな祝福をあふれるほどにまし加えて下さると言うことを覚えたいと思います。

あの貧しいやもめが、自分の生活費の全部である2レプタ(200円)を全部献金したように、まず神を第一とするならば、神様は必ず必要のすべてを満たして養って下さいます。(ルカ21:1~4)また、預言者マラキがこう言いました。「十分の一の献げ物すべて倉に運び、わたしの家に食物があるようにせよ。これによって、わたしを試してみよと万軍の主は言われる。必ず、わたしはあなたたちのために、天の窓を開き、祝福を限りなく注ぐであろう。」(マラキ3:10)と。

自分が食べてから、余ったものを献げると言うのではなく、まず最初に、神様のために小さなパン菓子を造ってそれを献げるなら、瓶の粉は尽きることはありません。決して飢えることも死ぬこともありません。たとえこれしか残っていなくても、後はこれを食べて死ぬしかないと覚悟していましても、壺の粉は尽きず、瓶の油はなくなることはないのです。「主は生きておられます」。まず神様に、大事なものを最初に捧げる、この信仰をこの年は目指してゆきたいと思います。

3.もっと器を(エリシャの場合)

私はもう一つ、2011年の年頭にあたり皆様方にお勧めしたいことがあります。それは、エリヤの後継者エリシャの時にも、同じような奇跡の出来事が起こりました。それは、同じ列王記下の4:1~7の箇所に出ております。(時間があったら読む)ここでは、預言者エリシャの仲間である同僚の預言者の未亡人のお話です。子供が二人おりました。ところが預言者である夫が亡くなりますと、借金があったのでしょう、債権者が取り立てに来まして、借金のかたに子供を奴隷として連れて行くというのです。困った母親が、エリシャのところに助けを求めてきました。

エリシャが、何が家に残っているのかと尋ねますと、「油の壺一つのほか、はしための家には何もありません。」と答えました。エリシャは「空の器を近所からできるだけたくさん借りてきて、家に閉じこもってその器に油を注ぎなさい。」と命じました。そして、エリシャが言ったとおりに、油のつぼをいっぱい借りて来て、家に閉じこもって、残っていた油を空の器に注ぎました。すると、次々と油が出てきました。そしてお母さんが、子供達に「もっと器を持って来なさい」と言いました。すると、子供達が「器はもうない」と答えました。そうしましたら、油が止まってしまいました。家族は、このたくさんの油を売って借金を返し、残った油でその後の生活をすることができました。

これも先ほどのエリヤの奇跡と同じようなお話ですが、ここでは、油を入れる器が取り上げられています。つまり、油とは祝福の油です。そして器とは何でしょうか。これは文字通り、入れ物です。教会の入れ物とは何でしょうか。私は、この器と申しますのは、受け皿、すなわちグループのことではないかと思うのです。例えば、教会学校の成人科、小学科のクラスであったり、昨年から始まったスモール・グループや祈祷会、各会などではないかと思うのです。

つまり、このお話は、私たちが貧しいものとして、神様に必死に助けを祈り求め、神様の祝福を納める器であるいろんなグループを準備して待ち構えると言うことです。すると、そこに神様の祝福が注がれるのです。神様の祝福を受け止めるためには、まず空の器でなければなりません。もしその器に油が入っていたらどうでしょうか。神様からの上からの油は入りません。空の器、空の入れ物、空のグループを用意するということです。

私もスモール・グループをしていた時、いつも家内と私ともう一人の教会員の方と3人だけの時が続きました。そこに遠くから牧師先生が来てくださるので、申し訳なくなり、この3月の年度末で、我が家のスモール・グループを止めさせていただきますと発表したことがありました。そうしましたら、不思議なことに、3月になるとまた新しい人が与えられるのです。そしてまた4月から始まるのです。そういうことが何回かありました。神様は、私たちの信仰をご覧になっておられるのです。

大事なのは、この空の時間なのです。空しくなって、神様にしか頼れない、もうだれも来ない、神様、助けて下さいと必死に祈る時間、これが空の器の時間なのです。この空の器があるからこそ、そこに神様の祝福が降り注がれるのです。最初から、油が入っていれば、奇跡は起こりません。

最後に、2011年の年頭にあたり、まず神を第一として献げて行くことを目指したいと思います。自分の体も時間もお金も、神の栄光のために、何がなくても第一に献げて行きたいと願っています。そして、空の器をたくさん教会の中に、またあちこちの町に用意して、祈ってゆきましょう。私たちには何もありません、私たちには何も出来ません、でも、神にはできないことはありません、「主は生きておられます」と告白しながら主のみ業に励んでゆきたいと願っております。                       (岡田 久)

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