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悩みの地での栄光 (創世記41:37~57)

メッセージ
2019年8月11日富里キリスト教会
「悩みの地での栄光」
(創世記41:37~57)
1.若き宰相

さて、今日からはヨセフの復活の人生が始まります。今までは苦労に苦労を重ね、死んだも同然の人生を送ってきた彼ですが、王の夢を解き明かしてからは、新しい人生が展開してゆきます。エジプトの王ファラオの夢を解いたヨセフは、飢餓対策の責任者に任命され、王に次ぐ地位を与えられました。先週、自分の不思議な夢を解いてもらった王ファラオは、夢を解いたヨセフに、飢饉に備えるための準備を指示してもらいました。そして王は、こともあろうに30歳になったばかりのヨセフを、この飢饉対策の大臣に任命し、さらに王の次につくような高い地位をも与えたのです。

「ファラオと家来たちは皆、ヨセフの言葉に感心した。ファラオは家来たちに、『このように神の霊が宿っている人は他にあるだろうか』と言い、ヨセフの方を向いてファラオは言った。『神がそういうことを皆示されたからには、お前ほど聡明で知恵のある者は、他にはいないであろう。お前をわが宮廷の責任者とする。わが国民は皆、お前の命に従うであろう。ただ王位にあるということだけ、わたしはお前の上に立つ。』」(41:37~40)

なかなか異教の国の王でありながら、ヨセフの中に神の霊が宿っていると断言し、全権を移譲することができる王様は他にないのではないでしょうか。先週の祈祷会で、ここを勉強していましたら、ある方が、このエジプトの王はセム族出身の王ではなかったかという説がありますとおっしゃった方がおられました。イスラエルもセム族ですので、ヨセフの神に共感を示したのではないかというのです。なるほどなと思いました。アフリカの住民はほとんどがハム族出身の民族ですので、もしファラオがセム族出身の王であれば、ヨセフの神を信奉し、ヨセフに共感したということもうなずけます。

いずれにしましてもヨセフは、政治と経済の全権を王から委ねられたわけです。大蔵大臣、総務大臣、経済産業大臣、農水大臣と言った国の中枢の支配権を手にしたわけです。さらに、45節からはヨセフに妻が与えられました。エジプトの太陽神ラーの祭司の娘アセナトです。そしてヨセフは名前を「ツフェナト・パネア」を解明しました。「神は語る、神は生きている」という意味だそうです。まさしくヨセフには「語る神」というイスラエルにふさわしい名前があたえられました。そして妻がエジプトの祭司の娘だということは、ヨセフがエジプトの農業経済行政だけではなく、エジプトの宗教界、教育界にも大きな影響力を持つようになったということをも意味します。まさに盤石の体制の中ヨセフの本領を発揮する時が来ました。

前回学んだように、地方ごとに監督官を立てて、豊作の間は収穫の五分の一を納めるようにしました。そして一か所に集中するのではなく、地方ごとに備蓄倉庫を建てて、それを王の管理下において、来る7年間の大飢饉に備えさせたのです。
これは穀物の輸送コストを削減できると同時に、飢饉の際にはいち早く人々に食糧を供給してやれる体制を作りました。しかし、その備蓄の管理は王家が担って無駄がないようにしました。ついにはいちいち計量できないほどに、穀物が大量に集められました。そしてこの祝福の7年間に、ヨセフには家庭的にも恵まれて、妻アセナトの間に二人の息子が与えられました。

Joseph was given national control by the king of Egypt. In addition to the second position of the king, he was given a woman Asenath daughter of Egyptian priest of On by the king. He got a charge of politics and economic authority but also religious authority. He worked hard going around the land of Egypt. He ordered to take a fifth of the harvest of Egypt during the seven years of abundance and keep it in the cities for food. By the wisdom and executive power of Joseph, the country saved from the famine.

2.二人の息子マナセとエフライム

「飢饉の年がやって来る前に、ヨセフに二人の息子が生まれた。この子供を産んだのは、オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナトである。ヨセフは長男をマナセ(忘れさせる)と名付けて言った。『神が、わたしの苦労と父の家のことをすべて忘れさせてくださった。』また、次男をエフライム(増やす)と名付けて言った。『神は、悩みの地で、わたしに子孫を増やしてくださった。』」(41:50~52)

A)マナセ=「忘れることの大切さ」

長男にはマナセという名前を付けました。親は自分の子供に名前を付ける時、その時の何か誕生にまつわるエピソードとか、あるいはその時の自分の心境などを反省して名前を付けることがあるのではないでしょうか。ヨセフの長男はマナセ=「忘れさせる」という意味を持っていました。ヨセフはその二つの理由を上げています。一つは自分が今まで経験してきた様々な苦労を忘れさせてくれたという意味です。兄たちに殺されかけ、人に売られ、エジプトでも冤罪で牢獄生活を強いられました。まさについこの間までヨセフの人生は、苦労、苦労の連続でした。出口なしの暗い穴倉のような人生でした。兄を恨み、上司の妻を恨み、自分の運命を恨むような人生でした。普通でしたら、希望を無くして自殺してしまうか、極道の道に行ってしまうかしかないような人生でした。そういう今までの暗い人生を、マナセは忘れさせてくれたと肝に命じたのです。人に対する恨みや憎しみを忘れたと心に刻んだのです。これがマナセと命名した理由です。

またもう一つは、自分の故郷カナンの地、そして優しかった父親ヤコブのことも忘れさせてくれたということです。父の家のことですから、兄弟に対する恨みも、また父親に対するなつかしさも忘れて、今自分が置かれているこのエジプトで生きて行こうと決心したのです。皆さん故郷を忘れることができますか?いつまで年をとっても故郷に帰りたいという思いはありますね。でもヨセフはそれも忘れたというのです。自分はこの地で生きてゆくと決心したのです。北朝鮮に拉致されていった人々のことを考えると、あの方々はヨセフと同じような運命をたどった方々です。どんなにか故郷日本へ、そして両親のもと家族のもとに帰りたいと願っていることでしょうか。自分の意志とは違う形で連れてこられましたから、よけい望郷の念は強いのではないでしょうか。でもヨセフはもう今までの苦労も父の家のことも忘れたといっています。

人間は過去があって現在があり、現在があって未来があります。誰でも自分のルーツを知りたいと思います。せめて家族のことを知りたい、そのことによってはじめて未来に向かって生きてゆけるのではないでしょうか。過去につらい出来事があれば、その償いをして欲しいと願います。その時からその人の人生はストップしているのです。心も体も成長しません。ストップしたままなのです。その過去のつらい経験、傷ついた分を償ってもらわなければ、自分は前に進むことができないのです。そういう人は過去を引きずり、過去に縛られたままで生きていることがあります。

いつまでもそういう生き方でいいでしょうか。ヨセフもどんなにか過去に悩んだことでしょう。過去を恨んだことでしょう。でも彼は長男の誕生を機に、過去ときっぱりと縁を切ったのです。忘れたのです。負債を支払って欲しいという権利を放棄したのです。これが忘れさせる=マナセという名前の由来です。ヨセフはこのわが子マナセの名前を呼ぶたびに、自分はこう過去と決別した、いろんな苦しいことを忘れたと心に言い聞かせていたのではないでしょうか。

The elder brother of Joseph was named Manath. It means forgot. Joseph decided to abandon his injury of heart of past and envy and hatred to his brothers and his homeland and family, he decided to live where he was put even if it’s unreasonable. Do you forget your past?
Did you abandon your right to pay your debt? If we ask to get paid for debt, we are not still letting go of the past. If it is so, we are tied to the past and dragging the past. By naming his elder son Manath he is trying to forget his injury of heart of past and his home.

B)エフライム=神の限りない祝福

人間の思いや感情や思想ではできないことですが、「忘れる」ということを、彼の中に宿っている聖霊様がそうさせてくださったのです。ですから次男が生まれた時には、今度はエフライムという名前を付けました。これは「増やす」「実り多い」という意味です。彼が今までの苦労や家に帰ることを忘れる決心をしたので、そこに更なる祝福が注がれました。実り多い人生になって行ったのです。

自分が経験してきた多くの苦労によって、今自分は自分の傲慢さや未熟さを学ぶことができたというのです。過去の苦労や苦しみにいつまでも縛られ、それを引きずっている限りは、実り多い生き方は生まれてこないでしょう。むしろ、あの時の苦しみがあたからこそ、今の自分があるんだと考えることです。あの時の苦労は、今の自分の信仰がますます豊かに実を結ぶためだったと思うことはできないでしょうか。

エフライム=「増やす」「実り豊かになる」という名前は、ヨセフの時代に豊作があったこと、そして飢饉が来ても彼の知恵と信仰によって飢えることなく豊かな生活ができたということだけではありませんでした。そういう経済的、家族的な幸福よりも、この実り豊かな人生というのは、この苦しみがあったらからこそ、自分と神との関係が以前よりもしっかりと確立されてきたということです。神のご臨在、神の恵み、神の導きというものが、17歳のときよりもますます深く豊かに感じることができて来たということ、これが30歳になったヨセフの心境です。次男をエフライムと名付けた時、彼は過去と決別して、神と共にあるという人生を選び取ったのです。

このように多くの苦しみを経験したヨセフだからこそ、最後に、あのひどいことをした兄たちと再会を果たし、一切の負債の支払いを放棄するという決心ができたのではないでしょうか。つまり兄たちを赦すという心が育ってきたのではないかと思います。このことがヨセフに取りまして最大の収穫ではなかったかと思います。まさしく実り多い人生になって行ったのです。

「マナセ~!」「エフライム~!」とわが子を呼ぶたびに、自分の心に呼びかけていたのではないでしょうか。恨みを忘れたこと、そして神様の祝福がいっぱいになったことを心に言い聞かせていたのではないでしょうか。そうしないと、過去の苦い根が芽を出してきて、過去への苦い思いへと引き戻されてしまいかねなかったのです。過去に縛られ、捕らわれてしまう弱いわたしたちです。聖霊様の助けと導きをいただいて、絶えず赦しと感謝を言葉に出してゆきたいものです。

The younger brother was named Ephraim, it means abundance. As Joseph abandoned and forgot his wounds of past, he raped many fruit of happiness, it does not mean his happiness of his life, but his relationship with God was finally getting deeper and richer. As the result he could forgive and reconcil with his brothers. Forget and abundance was a new start point of his life.

いかがですか?皆さんは過去の傷をまだ引きずっているでしょうか。もしまだ忘れていないならば、わたしたちはまだ神の栄光を見ることはできません。いつまでも苦しみ恨んでいることはないでしょうか。それはすべて自分の内側にある傲慢さとかかたくなさとか罪と言ったものが砕かれるまでのことなのです。
いまだに恨みと憎しみの鎖に縛られて、前に進むことができないでいるかもしれません。でも忘れることは、わたしたちの選択です。どちらを選ぶかにかかっています。

主は必ず私たちと共にいて下さいます。決して離れることも見捨てることもありません。そして飢饉が激しくなればなるほど、ヨセフの家族をヨセフのもとへと招き寄せて下さいました。飢饉というマイナスのような出来事も、すべては神様の大きな救いの御計画の中にあったのです。飢饉のお蔭で、あの懐かしい父ヤコブが一家を上げてエジプトのヨセフのもとにやって来たではありませんか。

そして最終的には、兄たちがヨセフをエジプトに売り飛ばしたことも、結局は最後に家族が全員救われるためだったのです。兄たちの意地悪や悪意も、そして自分が牢屋に入ることも、さらに飢饉という異常気象でさえも、すべては神の民が愛と赦しによって一つになるための試練の出来事だったのです。こうしてエフライムという息子の名前に隠された神様の祝福の恵みの充満は、ヨセフを通してますます豊かに満ち溢れて行きました。(岡田 久)

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