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少しのものに忠実な僕 (マタイ25:14~30)

メッセージ

2015年9月27日富里キリスト教会

「少しのものに忠実な僕」
(マタイ25:14~30)

1.神の資産を預かる

今朝は有名なタラントのたとえ話です。聖書ではタラントンとなっていますが、これは今問題となっておりますギリシャの貨幣の単位で、円とかドルに当たる言葉です。当時1タラントンは6000ドラクメで、1ドラクメが1デナリ=一日分の日当に当ります。一日の賃金を仮に1万円としますと、6000ドラクメは6000万円となります。ですから1タラントンあずかった僕というのは、6000万円を主人である神様から預かった人ということになります。ここから、いろんな才能を神様から授かった人を、タレントと呼ぶようになったのではないでしょうか。

今日の聖書箇所の最初の25:14に、こう書かれてあります。「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。」と。これを私たちにあてはめて言い変えてみますと、「天国というのは、ある人すなわちイエス様が、弟子たちを呼んで、ご自分の霊の賜物を預けて、これで商売をして、わたしが帰ってくる再臨の時までに、伝道という商売をして、この資産を増やしなさい。最後にわたしが天の父のもとから帰ってくる再臨の時に、その資産が増えているかどうかを精算するから。」と言って、イエス様が天に昇られたということになります。

そして三人の僕に、一人は5タラントン、一人は2タラントン、もう一人には1タラントン預けて旅に行かれました。これは天国のたとえ話ですから、主人が帰って来てからみんな一緒に天国に入るというのが天国ではないようですね。むしろ、賜物を預ける所からすでに天国は始まっているということです。資産運用の精算をする最後の時ではなく、資金を預かった時からすでに天国は始まっているのです。

ですから私たちも最低6千万円の資金はいただいていることになります。後はこれをどのように運用して増やして行くかです。5タラントンあずかった人は、出て行ってそれで商売をして、他に5タラントン儲けました。2タラントン預かった人も、同じようにして2タラントン儲けました。この「商売をする」という言葉のギリシャ語は、「エルガゾマイ」という言葉ですが、「働く、造り出す、稼ぐ、儲ける」という意味があります。ですから5タラント預かった人も2タラント預かった人も、どんな商売をしたか分かりませんが、働いて、それぞれ資産を二倍に増やしたわけです。「儲ける」という漢字は不思議な字ですね。「信者」と書いて「儲ける」と読むのです。ですから儲けるということは、神様からのいろんな賜物を活用して、信者を増やしなさいということを言っているのではないかとも思います。

2.預けた資産を精算する神

さて主人が帰って来ました。そして、最初に5タラントン預けたものから順番に資金の精算を始めました。5タラントン預かった僕は、主人のもとに行って、「御主人様、5タラントンお預けになりましたが、ご覧下さい。他に5タラントンもうけました。」と言いました。すると主人は『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』」(26:20~21)と言って一緒に喜びました。そして、同じように2タラントン預かった者も倍にして返しましたので、同じような褒美をいただきました。

ところが悲劇が起こったのは、1タラントン預かった者の精算になった時です。彼はこう言ってお金を帰しました。「御主人様、あなたは蒔かないところから刈り取り、散らさないところからかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。ご覧ください。これがあなたのお金です。」(25:24~25)と。

この文章を見る限りでは、彼は自分が主人の怒りを買うなどとは露ほどにも考えていなかったようでね。意気揚々と1タラントンをそっくりそのまま差し出しました。それに対して主人はこう言いました。「怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かないところから刈り取り、散らさないところからかき集めるものだと知っていたのか。それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきだった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付で返してもらえたのに。さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、10タラントン持っている者に与えよ。誰でも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。」(25:26~30)

これは正直言って厳しい裁きですね。隠しておいて手をつけずにそっくりそのまま返したのに、頭から叱りつけられました。この僕は、隠しておいた理由を三つあげています。①「蒔かないところから刈り取る方だ」②「散らさないところからかき集める方」③「厳しい方」だというのです。つまり、この僕は、御主人様は恐ろしい恐い方で、いくら自分が稼いでお金を儲けても、それを全部自分のものに横取りしてしまうひどい親方だと言ったわけです。種籾も与えず、米の収穫のない時でも、税金だけは必ず取り立てるというような悪代官のような恐ろしい方だと言ったのです。「だから、わたしはタラントンを資金にしてお金を儲けるなんて、そんな危ないことはやめました。そんなお方からは、びた一文も借りるわけにはいきません。失敗しても成功しても損をするのは私ですから。」と言ってそっくりそのまま返したのです。

さて問題はこの僕のどこがいけなかったのでしょうか。そっくり手を付けないで返したら、それで何も問題はないのではないでしょうか。皆さんはどこが問題だと思いますか(・・・・・)。わたしはこの僕の態度には二つ問題点があるような気がします。一つは、他の僕には5タラントン、2タラントン預けたのに、どうして自分には1タラントンしか与えなかったのかという不満から、主人に対する不信があったのではないかということです。5タラントンで稼いだ人は、5タラントンもらったから出来たんだ、でも俺にはたった1タラントンしかない。不公平ではないか。これでは働く気がしないと、他の僕と比較した結果、やる気をなくしてしまったのではないでしょうか。

二番目には、御主人様は恐い方だと思っていました。失敗したら、何と言われるか分からない、それよりは無難な方法で何も手を付けないでそっくり返した方が安全ではないと踏んだのではないでしょうか。つまり神さまをいつも怖がって、眼の色を見ながら奉仕している人です。失敗しないように、損をしないように、伝道集会をしましょうと言っても、「人が集まらないからやめましょう。お金の無駄です。予算が無くなったら元も子もないです。あまり予算を使わないで来年に繰り越しましょう。」と何にでも消極的になってしまう人です。

3.あなたはどの僕?

あの1タラントンもらった僕は、6000万円の運用が難しい、面倒だ、それよりは知らん顔してしまったままにしておこうと思ったかもしれません。もし万が一教会がダメになったらどうしよう、土地も建物も国に取られてしまうのではないだろうか、それならばこのままで活動して倒産しないようにしようと自己保身的な考えがあったのではないかと思います。まことに信仰もビジョンもなかった僕です。

かつて神様は、富里教会に1タラントン=6000万円の資金を無償で貸して下さいました。そればかりではありません。母教会が下さったのは物件だけではないはずです。無償で与えて下さるという愛があります。また、富里教会がこの財産を用いて、これから北総の地に福音を宣べ伝えて大きく富を増やして行くだろうという期待と信仰があったのではないでしょうか。この目に見えない愛と信仰の賜物を私たちは受け継いだのです。もし、それを地面に隠したままにして、そっくり無難に返したらどうでしょうか。神様に母教会からいただいた愛と信仰を返却しますということにならないでしょうか。

所有者は神様です。物件だけではありません。目に見えない信仰の遺産も受け継いでいるのです。それを生かすも殺すもわたしたち次第です。そっくりそのまま地面に隠しておいて、後でそのまま母教会に帰すべきでしょうか。あるいは、この6000万円の資産を活用して、伝道に役立て商売をして二倍に増やして神様に帰すべきでしょうか。母教会は、この資産を抵当にして、八街や成田に新しい土地を買って、そこの伝道所に、母教会がしたように、無償で伝道所にプレゼントすることを信じて与えて下さったのではないでしょうか。神様はどうすることを喜ばれるでしょうか。主人が旅から帰って来た時に、主人を喜ばせることのできる僕は誰でしょうか。

わたしはこの「タラントンのたとえ話」の狙いは、この三番目の1タラントンを使わないでしまったままにしておいた怠惰な僕にならないようにという神様の警告ではないかと思います。このお話の主人公は、1タラントンの僕です。神様は最後に、この男からしまっておいた1タラントンを取り上げて、10タラントンに増やした忠実な僕に与えられました。そして、この怠惰で不忠実な僕を、外の真っ暗闇の中に放り出してしまったのです。彼は暗闇の中に投げ出されて、泣きわめいて歯ぎしりして悔しがるでしょう。

「ああ、せっかく神様が下さったあの1タラントンを全然使わないで返してしまった。たとえ失敗してもいいから、あの1タラントンを活用するべきだった。あれを元手にして伝道すればよかった。」という声が聞こえて来そうです。これはわたしに対する警告でもありますし、また皆さん方お一人お一人に対する警告でもあります。イエス様が天から降って来られないうちに、主人が帰ってきて財産を精算しないうちに、今のうちにお一人お一人に与えられている資産を活用し、商売をして二倍に増やしましょう。

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