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あなたは神の子です

メッセージ

2009年10月11日 富里教会
        「あなたは神の子です」
                 (ガラテヤ4:1〜7)

さて、今朝与えられましたガラテヤ書4:4〜7までをもう一度読んでみましょう。「しかし、時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれたものとしてお遣わしになりました。それは、律法の支配下にあるものを贖い出して、私たちを神の子となさるためでした。あなたがたが子であることは、神が、『アッバ、父よ』と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送って下さった事実から分かります。ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神によって立てられた相続人でもあるのです。」今朝は、この中から「あなたはもはや奴隷ではない」ということと、「あなたは神の子です」ということ、そして「アッバ、父よ」ということに焦点を合わせて語ってみたいと思います。

1. あなたは奴隷ではない
イエス・キリストがこの世に来られるまで、私達は律法の支配の下に置かれていました。律法の支配、それは「かくあるべし」という掟の中にがんじがらめになっていたのです。まだ、成人していない未成年の期間だと言われています。
律法といいますのは、十戒に示された十の戒めを基本にして、生活に関する細かい規則を何項目も規定した法律のようなものです。その規則で、自分たちの生活を規制していましたから、ユダヤ人はこの律法によって、がんじがらめの信仰生活を強いられていたわけです。そして日本人の私たちも、古い家父長制度の教えの中で、不自由な生き方を強いられて来たような気がします。律法の奴隷というのは、ユダヤ人だけではなく、私達日本人にも当てはまるのではないかと思います。

日本の場合には、子供の頃、お父さんに甘え、抱かれて過ごしたいと思うわけですが、厳格な父親である場合が多いですね。いつも「勉強しなさい。」「いい学校に入りなさい」「夜遅くまで遊んでいてはいけない」と言って、子供をそばに寄せ付けない厳格な父親に育てられてきました。子供ですから、親を代えるわけに行きません。親の保護と支配の下にあります。親の言う通りに生きたい、親に良い子だと思われたいという願いで、必死に勉強し頑張ってきました。

ある青年が、勉強して医学部に入りました。みんな、「おめでとう、おめでとう」と言って祝福しましたが、本人はちっとも嬉しそうではありません。何で嬉しくないのと尋ねると、親の希望で医学部に入っただけで、本当は別の学部に行きたかったということでした。子供は、どこかで親の希望や親の見栄や親の考えの中で、制限されて人生を生きていることがあります。これが律法の支配であり、父親の監督の下に置かれた未成年者なのです。もしその青年が親の意に反して、別の学部を選ぶということは、大きな違反行為になってしまいます。これが律法の世界です。極端な話しですが、親が死なない限り、子供は自由になれない、真の大人になれないことになってしまいます。パウロはこれを、律法の呪いと言っていますが、この律法の束縛にがんじがらめに縛られて、苦しみうめき、四方八方を塞がれている。これが律法に縛られている今日の、日本の社会の現実ではないかと思います。

本当の父を知らず、本当の神を知らずに来た人は、いまもそのような人生を送っているのではないでしょうか。この律法の苦しみと呪いから抜け出ることが出来ずに、解放されずに、あの暗いじめじめした汚い諸々の霊の支配下にあって、亡者のような生活を強いられているのが、私たち日本人の生き方ではないでしょうか。でも私は幸運でした。神様は、その先祖代々の墓のある町の小学校に転校した時に、一人のクリスチャンの担任の先生を通して、私をキリストに導いてくださいました。このガラテヤ書は、キリストにある者の自由をテーマにしています。3:13にこうあります。

「キリストは、わたしたちのために呪いとなって、わたしたちを律法の呪いから贖い出してくださいました。『木にかけられた者は皆呪われている』と書いてあるからです。」イエス・キリストはこの呪いの世界の中で、うめき苦しんでいる私たちを、ご自身が呪いの木にかけられて、即ちあの十字架の木にかけられて、私たちを呪いから救い出して下さったのです。主は、忌まわしい目を背けたくなるような姿で、わたしたちのために十字架で苦しみ、その身に罪の呪いと罰を全部引き受けて下さったのです。

そして次の14節に、「それは、アブラハムに与えられた祝福が、キリスト・イエスにおいて異邦人に及ぶためであり、わたしたちが、約束された“霊”を信仰によって受けるためでした。」とあります。キリストが呪いの木にかかったのは、ご自分を信じる者に罪と呪いからの解放を告げ、神の祝福の相続人とするためでした。その祝福とは、私達が御子の霊によって、「アッバ、父よ」と祈ることの出来ることのできる子としての、特権をいただいたということです。

2. あなたは神の子です
「アッバ」というのは当時のユダヤ人が使っていたアラム語で「父」という意味です。イエス様もあのゲッセマネの園で、「アバ、父よ」と祈られました。これは子供が父親に対して「お父さん」と呼びかけるような親しい愛情のこもった呼びかけだといわれています。イエス様の霊が私たちにも働いて、イエス様と同じように「天のお父様!」と呼びかけることができるのです。

子供をそばに寄せ付けない、厳格な父、厳しい父ではなく、幼いわが子を抱き寄せて、やさしく「何が欲しいのだ?どうして欲しいのかい?」と語りかけてくださる神様なのです。物言わない、怖い、恐ろしい支配者の父親ではないのです。この愛の神様が、父親として私達の味方をしているとしたら、どんなに心強いでしょうか。

神様についてまだ、怖いお方だと思っている方、あるいは神様に対して良い子のふりをしようとされる方が時としておられます。神様は私達に子供らしく、もっと自由にしていいんだよ、よく見せようとすることから解放されているんだよとおっしゃって下さっています。自分らしく、あるがままで、自分に正直でいいんだよと言っているような気がします。私達は御子の霊によって、イエス様と同じように「アバ、父よ」と呼びかけることができるのです。そしてイエス・キリストを通して、神の子としての身分もいただきました。身分の保証だけではなく、本当の子供として、神様に遠慮なく何でも祈り求めることが出来るのです。それが神の子としての祈りです。

3. アッバ、父よ
皆さん、遠慮しないで祈りましょう。神の子供ですから、「アバ、お父さん!」と祈ることが出来るのです。肉の父親だったら、何か障害や問題にぶつかった時には、「しっかりせんか、へこたれるな、頑張れ!」と叱咤激励するかもしれません。でも、私達は子供ですから、人の攻撃や非難に挫けてしまうことがあるかもしれません。頑張れない時もあります。自分の罪や弱さの故に、祈ることすら出来なくなることもあるでしょう。でも、イエス様の霊が、そういう時でも私たちを助けて、うめきながらでも祈りの声をあげさせてくださいます。

イエス様もあのゲッセマネの園で、血の汗を流すほどに祈られました。十字架の道を行くべきか、それとも死ななくてすむ道を取るべきか。でも、最後に主が選んだ道は自分を生かす道ではなく、自分を捨てる道でした。その時にこう祈っています。「アッバ、父よ、あなたは何でもおできになります。この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしが願うことではなく、御心に適うことが行われますように」と。

御子の祈り、それは天のお父様の御心がなるようにという祈りでした。祈りとは、私達が強力な祈りをしたとか、長く祈ったかと言うことではなく、自分には出来ないことを認めて、今必要とされているところに神様を招き入れることではないかと思います。祈りが聞かれる、聞かれないのではなく、また祈りが強いとか、弱いということではなく、お父様に働いていただくように委ねきることです。これが神の子の祈りです。必死に自分の願いを実現させるのが、神の子の祈りではないような気がします。子供のように、全知全能の真のお父さんに委ねてゆくことです。

私たちも4月から思い切って成人科のクラスを三つに分けました。三つのクラスとも最初は人が集まらず、リーダーが他のクラスに合流したりして、何とかかんとか続けて来ました。クラスという入れ物を用意して、後は神様の働かれるのを期待し、恵みのプレゼントを待ちました。私たちには人を連れてくることは出来ません、こんな森の中で、一体誰が教会を尋ねてくるでしょうか。どこへ行って人を連れてくるでしょうか。でも、伝道は主の業です。お父様が働いて下さいます。すると不思議にも、間もなく成人科のクラスがいっぱいになりました。そして10月からは、もう一つ新しい入れ物をもう一つ用意しました。あとはまた、「アッバ、父よ!」と祈ってこの空の入れ物に、神様の祝福の油を待つだけです。

この秋、刈り入れの季節です。いろんな集会を備えて、この北総の地に福音の種を蒔いて行きましょう。神様の伝道の働きを喜んで行なって行きましょう。そして、たくさんの席を準備して待とうではありませんか。私たちには出来なくても、神様にはできないことはないという幼子の信仰を持って祈ってゆきましょう。それがこの「アッバ、父よ」という祈りです。神の子として祈ることの出来ることを心から感謝し、御名を賛美いたします。
                                (岡田 久)

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